2020/10/11 21:10


インド女性=サリー
という定説は、
日本人=着物、
という、世界の人が今でも思い描くイメージと同じようなものだと思います。

事実、現代の日本人の着物を着る機会、着物を着ている人を見かける頻度と比べると、
圧倒的にインド人女性のサリー姿の方が、今でもインド中どこでも見かけることが
できます。

前のブログでインドのサリー事情をお伝えした通り、今でもインド女性に愛され、着用され
続けるサリーではありますが、学生や会社勤めの女の人達は、サリーよりも簡単に着れる、
クルタと細身又は太目のパンツ、ショールの3点セットまたは、クルタとジーンズのような
カジュアルな服装が好まれています。そして、最近は西洋的な”洋服”が男女問わず主流に
なりつつもあります。


インドの会社に勤めていた時の同僚たち。
基本的に若者にはジーンズがmust-have アイテムかつ最上のオシャレにも近い扱いで、
特に男性は、ジーンズにシャツ姿でどんな正式な場にも出席することが許されています。
(最近は西洋マナーを取り入れている会社も増えてきて、ジーンズ禁止の会社もありますが。)


クリスチャンの同僚結婚式に出席した時は、ほとんどの男性がジーンズ又はパンツにシャツ
姿でした。インドにもクリスチャンは多く、クリスチャンの結婚式は、新郎新婦は燕尾服と
ドレスです。出席する女性は、サリーでもクルタでも、西洋的なドレスでも、みんな好きな
格好をしていますが、ヒンドゥー教の結婚式の時は、基本的に出席者もサリーか、ちょっと
豪華な刺繍や飾りが施されたAnarkaliという足首まで丈のあるドレスか、上下に分かれ、お腹
の部分を大きく見せるLehengaなどが着られます。


この日、私の会社の女の子はAnarkaliにセットのショールにバングル、私はシルクの
長いクルタにパンツと真珠を合わせた恰好での参加でした。

結婚式は、地域や宗教、花婿・花嫁それぞれの出身地などによって形態がことなり
ますが、だいたい数日設けられ、最低でも本番とレセプションとあり、招待された
人たちは、結婚式本番の時は正装、レセプションはドレスコード無しのカジュアルな
お洒落をして参加をします。

北インドや、ムスリムの人の結婚式では、サリーもですがLehengaがよく着られます。
私もカルカッタのムスリムの友人の結婚式に参列するために、カディのシルク&リネン
の生地でLehengaを仕立ててもらいました。


上品な光沢が高級感を出してくれ、とても気に入っています。

インド服を着る時は、いつもインドらしい手作りのサンダルやパンジャビ
シューズを合わせているのですが、LehengaやAnarkali、サリーを着る時は、
足元ぎりぎりの丈のため、適当に見栄えと履き心地の良い、ヒールつきの
サンダルを履くようにしています。


ラジャスターン州などのパンジャビ地方で多く生産されている、パンジャビ・
シューズ。(”Joti”と呼ばれています。)
その履き心地と多様なデザインに心を奪われ、いつもラジャスターン州に行った
ときは何足かまとめ買いをします。(最近では色々な素材とデザインのものが
出回っているのですが、本当にいい皮で職人さんの手によって作られたJotiは、
インドでも限られた場所でしか買えません。)

去年ジャイプールに行った時に買った革製のサンダルたち。
赤のJotiはかなりの頻度で履いたため、履きつぶれかけていますが、あとの2足は
未使用のまま、私のプネの部屋のクローゼットにしまわれたままです・・・。
カビが生えていないことを祈ります・・・。

インド映画スターが多く住む大都市ムンバイを持つせいか、他の週よりも
裕福で自由があるように感じるマハラシュートラ州は、私のいたプネを含め、
お酒や女の人の服装に自由なところが多く、若い人たちが出かけるバーや
クラブ、カフェなどが多数ありました。私の会社の人達も老若男女問わず、
夜遊びするのが大好きな人が多く、私も仲の良い女の子と会社帰りに出かける
ことが時々ありました。

そんなときは、日本人女性以上に気張るインド人女性。
ただ食事しにいくというだけでも、会社用の服とは別に夜遊び用の服を持参し、
ばっちりメイクをして出陣です。


普段滅多にショートなんて履くことがない友人ですが、この日は新しく
買った洋服を持参し、会社帰りに私の家で着替えてから、プネで予約必須
なくらい人気のバーに繰り出しました。(そしてモデルばりの撮影会・・・)

どうしてたかが食事に行くだけなのに・・・? と、思われる方も多いと
思いますが、インドの多くのレストラン含む盛り場は、「食事」だけでは
済まされないのです・・・。

特に夜は、多くのレストランが、会話ができないくらいの音量で音楽を流し、
バンドのライブやDJが始まり、レストランがダンスホールと化すことが多い
のです。つまり、レストラン、バー、ライブハウス、クラブが全て一緒に
なったような感じです。
本当にゆっくり会話をしたいときは、慎重に場所選びをしなければなりません。
でも、踊るのが好きな私は、ノリノリの音楽がかかりだして、座っているところ
に、「ほら、あなたも踊りなさいよ!」と、無理やり腕を引っ張って躍らせる
インド人の陽気さとオープンさが嫌いではありません。
(特に、年配の女性は踊るのが大好きです。)
そして躊躇なくインド人と踊る私(笑)インド人に「日本人と思えない!」、と
よく言われます・・・。

コロナが始まってしまってからは、そんな賑やかさと自由がなくなってしまった
インドですが、人々は今でもたくましく、生活を送っています。
私の同僚もコロナに感染し、回復しました。
ムンバイを超える感染者数を抱えることになった、プネ。
いいタイミングで日本に帰ってこられたことは、本当にラッキーだったとは思い
ますが、早く戻れる日が来ること、そこに住む人たちの健康と安全をいつも願って
います。